2021年用しめ飾り「ひのわ つきのわ」

毎年、しめ飾りを作るイメージがかっちりと固まるのは不思議と「神無月」の頃です。
新暦になってからの神無月ではなく、旧暦での神無月。
今年2020年では神無月の始まりは11月15日でした。
西暦に合わせて、11月に入ったらサッサと確定してしまおうと思うのですが、これがあんまりうまくいきませんw

現実的に、今年の10月は事務仕事が多く、制作仕事に没頭できない環境でした。
器用ではないので、そこら辺の切り替えがうまくいかなかった場合、せっかく「清浄な気持ちで新年を迎えよう」と思ったところで世俗にまみれた欲深いモノが出来上がりそうです( ^∀^)ゲラゲラ

初めてのTwitter懸賞企画が終わり、事務手続きもひと段落。
一息つかせようと、心に思うものを作りつつ… 私がイメージし始めたのは「光の環」でした。

「ひのわ つきのわ」

光にも色々ありますが、私がイメージしたのは自然光でした。
自然光には、日の光、月の光とあります、細かく言えば「星明り」なんて言い方もありますね。

どちらの光にせよ、優しくそそがれているイメージ。

現状コロナ禍でありそういう暗闇の中を進んでいけるイメージ。

昼であれ、夜であれ、暗がりの中をずるがしこいモノたちが跋扈しても、私たちには光があり、そこを進んでいける。
安心して休むことも出来るイメージ。

それが「ひのわ つきのわ」というタイトルが持っている、私が作るうえで大事にしたいイメージです。
(このイメージが自分の中に無い場合は、作りません)

「ちょっと変わった『留め口』」のアプローチ

私が作るしめ飾りは、今までほぼ全部、しめ縄の「輪飾り」が水引とともにあるタイプのものです。

以前ツイッターに上げたものの一つに以下のような、花材を多く使ったタイプがあります。
これはしめ縄が直径15㎝以上のものでした。

このしめ飾りはなかなか大きくて、通販しようと私は全く思っておらず、とても褒めていただいて嬉しくて「作り方を教えます」と調子のいいことを言ったモノの…
σ(-_-)ワタシ、教えるのが下手… である事に加えて、何をどうやったのかは、うまく説明できないことに気が付きました…(;´Д`)…

お伝えすべきことは一つで
とにかく、「しめ縄」「水引」「花材」をぐるっと一まとめにして留めればいい なのですが
これだけで伝わるのだろうか…(;´Д`)
何でまとめるのか、どうやってまとめるのか、そもそもどのくらいの量でまとめるのか、バランスは とか…
感覚に任せて作ってきた私には(場当たり とも言いますねw)、どなたかに文言にして、簡潔に数式のようにお伝えできる方法がなかったのでした…(´・ω・`)ショボーン…

そこで、今回は私は初めて、「ゆくゆくはこれに花材を挟む」「ここに花材を挟む」という計画の元、「挟み込む留め口を作る」と言うことを目論んだのですw
何と計画的なんでしょう(違)

数式が作れないアホな私にも分かっていることは
しめ縄の直径が大きければ、囲む水引の本数も多くなる かつ、花材も多く必要になる(高額になる)
ということで、ではしめ縄も貧弱でない大きさのもので、光の輪を表現する水引次第で全体の直径の長さが変わるものにすればよい と思いました。

小さすぎないしめ縄の大きさ ということで、まずは直径7㎝のしめ縄を選ぶことになり、それに合わせて、水引を選び
しめ縄と水引を留め、その部分を隠す「留め口」をつけ、ぴっちりさせないで隙間があるようにし(出来ればその隙間もある程度は可変可能にし)
手に取った方々が、お好みで花材等が足せるけれども、なくても「しめ飾り」として成り立ち、風情があるもの を目標にすることにしました。

なんと、初めて「着地点」を想定したものを作ることになったというわけです。
(`・∀・´)エッヘン!!(違…)

「留め口」の柄

今までのしめ飾り作りでも使っていた「畳縁(たたみべり)」を使うことにしました。

そこで今回用に畳縁を物色していたところ、昨年よりも多くの和紋、伝統柄を見かけることになりました。

あ、そうか これは「鬼滅の刃」の影響か~(;゚Д゚)と…
連載中は、ラーメン屋さんで雑誌を見かけることはありましたが、熱心な読者ではなく
アニメも視聴したわけではなく(この後、見ました、結果3周しましたw)
ここに来て、すごい勢いをまざまざと感じたのでした。
「鬼滅の刃」ファンではなくても、和模様にはもともと関心がありましたし、けれど、ここまでの柄の揃い方は…「鬼滅の刃」がなければ、なかったかもしれません。

主人公の炭治郎が着用している羽織の和模様は市松模様で緑と黒。
私にとっては、緑と黒は、松の色でした。
お正月飾りに使用する松は、黒味がある新鮮な緑色をしています。
そこに共通点を見出し、緑と黒の市松模様の柄を留め口に採用することにしました。

他は… 感覚的に選びました。
「鬼滅の刃」でことさらに脚光を浴びることになった市松模様も、そもそもが流行した当初から職人さんらが知恵を絞り遊び心を利かせた「変わり市松」と言える模様もあります。
もう一つ、「鬼滅の刃」の流行の影響で出回っていると思えたものが禰豆子の着物の柄である「麻の葉模様」です。
これについては、アニメーションで使用されている色よりも少々ワインカラー味が深い色(レトロピンクとも言えるかな)を選び、紅白のリボンのような色も選びました。

以前から畳縁を使用していますが、その成り立ち、言われも「お正月飾り」として使用してOKと言えますし
選択した柄も、それぞれに意味があり、新年を寿ぐ方向と同じものを持っていると思います。(多くのサイトが解説しているでしょうからここでは割愛します)

また逆に、これらの柄にこめられている古くからの祈りや、色合いについての意味を知ると、「鬼滅の刃」もただの流行りものと言うだけではない、作り手さんが意識している深さを感じたりもします。

「留め口」の構造

これについての詳細は、今のところはご購入者様が見ることが出来るリーフレットにのみ記載しておくことに致します。

「ひのわ つきのわ」しめ縄7㎝タイプの構造

このしめ飾りは「基本のしめ飾り」と「装飾品」の2つを分けて販売します。

「装飾品」は、購入者の方が お品が届いてから花材等を追加することを考えて接着していません。

基本のしめ飾り

約縦15㎝、横15~16㎝

〇輪飾り 藁 直径約7㎝程度

〇水引 
純然たる和風と、和洋折衷(クリスマスリースとしても使用できるもの)を考えて組み合わせました。 

和風:色水引 3色
   白>金>赤(又は朱・紅)
   本数の組み合わせは10>7>5 又は 7>5>3 
   しめ縄に多少の差があるので、バランスを考えて組み合わせは二通り。

洋風折衷(クリスマスリースとしての用途を兼ねたもの)
   :色水引、羽衣水引、砂子水引、光水引、プラチナ水引、シャーベット水引
   基本は、和風の色合わせと同じ色味の印象
   白>金>赤 を保ちつつ、キラキラ感がありクリスマスカラーとしても馴染むもの。

※1:しめ縄と水引は それぞれを糸で結び直したうえで木工用ボンドで接着し、和紙のマスキングテープ(白)でくるりと留めてあります。
※2:輪飾りの周りにぐるりと巻いた水引は、各作品により直径に差がありますが、全体的にA4縦の横幅からはみ出ることはありません。

〇下げ紐
江戸打ち紐(ポリエステル) 直径3㎜ 60㎝ 端を軽く結び、「留め口」に挟み込みしています。

〇留め口
畳縁(たたみべり、たたみふち)
化学繊維(ポリエステル・ポリプロピレン・ポリエチレン等…)で織った固めの布。
横3.5㎝程度、縦11㎝程度 
留め口は、留め終わりを固定していません。
間に花材などを挟み込むことが出来ます。

装飾品

写真はサイズが分かりやすいようにカッターマット(1㎝マス目)の上で撮影しました
接着、固定せずにお送りしております。
花材などお好みのものを組み合わせた後、バランスを取りながらオリジナルのしめ飾りをお楽しみください。

水引飾り

全て針金を使わず、留めには木工用ボンドを使っています。
絹巻水引、花水引、羽衣水引、砂子水引 作品により使用水引を変えています。

【鶴】

胴体に3本取り、2㎝四方に収まる梅結びをあしらったもの。
全体は横8㎝ 縦7㎝の四角形にほぼ収まる大きさです。
梅結びは、無病息災、魔除け、縁結び の縁起の良い結びです。

鶴は 古来より「鶴は千年」と「長寿を象徴する吉祥の鳥」、
一生を連れ添う夫婦鶴(めおとづる)から「仲良きことの象徴」、
鳴き声が共鳴し遠方まで届くことから「天に届く=天上界に通ずる鳥」といわれるなど、「めでたい鳥」として尊ばれています。

【雪粒と木の実、又は蜜柑】


万葉集に謳われたように、「正月の大雪はその年の豊作の吉兆である」そうです。
これにあやかり、雪粒を1㎝弱の玉結びで表現してみました。
(白、銀、薄めの色味のもの、光る素材を使ったもの)
これに、赤みのある玉を一つ。
全体の雰囲気から浮き上がることがない色味で合わせています。

和紙飾り

【扇】

その形から、「末広」とも呼ばれる、末広がりを象徴する縁起物です。
和紙を使用し、艶消しのアクリルニス(水性)を塗ってあります。
要は和紙のマスキングテープで留めています。
使用する和紙にもよりますが、横幅は6~8㎝程度、縦は5㎝程度の大きさです。

リーフレット「ひのわ つきのわ」

この作品には、A4を八折りにした、麻紙製のリーフレットが添付されています。
(coa’s monoこあずものの作品には「リーフレット」は必ず添付されます)

このblog記事に記載してある以上のこと
作品解説、しめ飾りの取り扱い、その他知っておくと便利な話など 色々記載しております。

初めて「著作権表記」をした、大作(ぇ)ですw
しめ飾りはもちろんのこと、coa’s monoこあずもので水引を扱うアクセサリーを作る時の基礎になっている考え方の半分は記載しています。
ここ5年間の集大成の側面も持つので、あの内容を、勝手にばらまかれてしまうとあまりにも悲しいです…(*´σ∀`)ェヘヘ

販売している「ひのわ つきのわ」しめ縄7㎝タイプ

2020年11月28日現在、販売中のセットは3種類、各1点です。
それぞれ、しめ飾り通販用に考えたオリジナル台紙で販売しています。

作品は、「留め口」の柄で区分されています。

現在、販売されているcoa’s monoこあずものサイトは以下の2つ。

BASE
https://coasmono.handcrafted.jp/items/36328476

一括して作品を記載しています。

minne
https://minne.com/@coas-mono

当店のギャラリーのURLを記載しています。
minneは種類別に一つ一つ販売ページを登録しています。
作品写真の下にURLを記載しますね。

市松(黒緑)

https://minne.com/items/24871962

 

麻の葉(レトロピンク)

https://minne.com/items/25690625

 

変わり市松(黒白)

https://minne.com/account/products/25691191

 

花材等の追加なしで使用した例

セットされた装飾品と一部異なっています。